◯京大学工学部航空宇宙工学科を目指す人々へ

もし航空宇宙を志すなら、以下の条件をすべて満たしているかよく考えてから進学を決めよう。

  1. 航空宇宙が大好き
  2. 文句を言わずに勉強や課題に励める
  3. 他の学科と迷っていない

これらを満たしているならとても良い環境だと思う。是非とも来てほしい。でもどれかが欠けていたらつらいかもしれない。別にこれらが必要十分というわけでもないけど。とりあえず私に足りなかったもの。以下につらつらと補足を。

 

1.航空宇宙が大好き

航空宇宙工学科では航空宇宙の勉強をするわけだが、必修の関係で航空は避けては通れない。宇宙だけに興味がある人は要注意。それと天文ではないので宇宙の構造とかそういう話は一切やらない。念のため。

また、飛行機が好きだと思っていても実はそこまで好きではないと判明することもありうる。私がその典型例。もともと自動車や電車よりは何となく飛行機が好きだったものの、勉強を続ける中で、私は旅客機には全く興味がないことがわかった。戦闘機は今でもそこそこ好きだが。どうやら私が好きだったのは「飛ぶ」という現象で、そこに人を乗せたりすることはどうでも良かったらしい。

2.文句を言わずに勉強や課題に励める

航空はそこそこ課題が多い。特に空しくなる課題(作業)は他学科より多いと思う。ついつい手を抜きたくなるのだが、基本的に真面目な人間が集まるのでしっかり勉強しないと結構苦労する。

私はこういう課題が全然好きではなかった。甘えと言われそうだけど。与えられた作業を淡々とこなせる人が向いているのではないかと思う。

3.他の学科と迷っていない

もし航空宇宙以外に進路を考えていないなら、それはとても立派なことだし、是非とも弊学科に進学すべきだ。これは間違いない。日本でこれ以上の場所はないと思う。

ただ、もし他にもやりたいことがあるなら十分注意してほしい。どこもそうだろうが、特にこの学科は航空宇宙への愛で動いている部分が大きい気がする。理不尽な古臭い課題があったとしても、みんなの愛があったからこそこれまで受け入れられ続いてきたのだろう。歴史の重みみたいなのを感じたり感じなかったり。

しかし、私は進学選択の時に悩みに悩んでここに入ってきた人間だった。当時の他の候補は機械情報や計数など。どれも興味があって、最終的には自分の幼少期の夢を叶えてあげようという軽い気持ちでここに来たのだが、それが良くなかった。周りとの温度差は感じるし、不毛な作業を続けては自分の選んだ道に疑問を持ち……そんな二年半だった。悲しい。要は迷いがあるとつらくなるかもしれない、それだけは注意ということ。

 

そんなこんなで、私の航空宇宙での生活はそろそろ終わろうとしている。無事卒業できれば、春からは航空を抜けて情報理工学系研究科に進む予定だ。◯京大学の大学院の中なら最も自分の力が活かせてかつ興味もある分野なのではないかと思う。ここでもだめなら……そもそも学業に向いていないのだろう。そんな気がする。これは大学入学時からだけど。まあ。

とにかく、航空を目指すなら強い意志を持とう。それと、たくさん友達を作ろう。また、他にやりたいことがあればそちらも視野に入れよう。そんなところかな。たぶん。

みなさんが素敵な道を歩めますように。