居場所

この世界はあまりにも息苦しい。

大学生になって、ようやく自分はちょっと変わっているのだと感じた。高校の頃は学風もあってか個性こそ人がその人たる所以、とても大事なものという雰囲気があったから、特に何も気にしていなかった。でも、上京してから、意外とテンプレ的な人が多いんだなと思ったり。そして、普通な人同士のコミュニティは強固に存在するのだとも。

別に私は彼らを軽蔑はしない。社会とは無数の歯車が集まって回っているものだから。でも、自分がそのどことも噛み合わないのだと気づいた時、やはり寂しくなる。いろいろ試してきたけれど、私の居場所というのは自分の部屋か実家か一人で過ごしている空間か、それくらいしかない。動物園も絶対一人で観に行きたい。他の人と関わると酷く疲れるし、それはいくら親しい友達でも同じ。ただ家族だけは話しても疲れないから、心を許せる存在、それが家族なのかな、とも。でもいつまでも甘えるわけにはいかないから、第二の母や姉として妻が必要なのかな、と。なんかその発想も甘えすぎな気もするけど。

いつか起業したいな、なんて思っていたりもちょっとはするけど、最初から稼ぎたいとか社会を良くしたいとかそういう野心的な思いからではない。ただ、自分の居場所を作れるなら起業してみたいな、というのが本当のところ。素直に生きられないというのは、苦しいものだから。ちなみに、年々金への執着も失せてしまっている。たぶん、お金だけでは自分は幸せにはなれないというのを本能的に知っているんだと思う。でも世の中の多くの人はお金が好きだから、やはり話というか価値観が噛み合わない。それでまた、寂しくなる。

会社に入って、もしそこの居心地が良ければずっといると思うし、厳しければ転職を繰り返している気もする。どうしたものかな、と。普通は何かを犠牲に何かを得る、そういう思考ができるんだろうけれど。なかなか大人にはなれない。